今日は平成29年5月4日(木)。昨日5月3日に、木綿庵恒例の公開イベントとして「綿の種まき、糸紡ぎ体験」を実施しました。お天気は時々薄曇りの晴天で、露天で行うイベントにとっては絶好の日和。19名のご参加をいただいて、にぎやかに楽しく作業を進めさせていただくとができました。
 ご参加くださいましたみなさま、ありがとうございました。
イメージ 1イメージ 2





 

   いよいよ、2017年(平成29年)度の綿の栽培をはじめます。これから年末の綿木引きを迎えるまで、綿の生長記録、栽培記録をアップさせていただきます。ご参考にしていただけましたら幸いです。
 
  まず、種まき前の土づくりとして、2月中に牛糞堆肥を、3月下旬に苦土石灰を、4月中旬に鶏糞をすき込み、マルチングをしておきました。
 プランターや鉢で栽培される場合は、市販の「花や野菜の栽培用の土」で大丈夫です。家庭菜園で栽培される場合も、通常の土づくりをされていれば問題ありません。
イメージ 3イメージ 4







   種は、前日から一晩水に浸しておきます。綿の種には細かい繊維がついていて水をはじくため、一晩水に浸すことで発芽を促進させることができます。一晩というのはおおまかな目安です。種蒔き前日の就寝前に浸しておけば十分です。
 「何時間浸せばよいですか?」という質問をいただくことがありますが、それほど神経質になる必要はありません。6時間でも、12時間でも大丈夫です。また、水に浸さなくても、発芽します。初期の水やりを欠かさなければ3,4日程度の差でしかありません。
イメージ 5イメージ 6







   ちなみに、当方の「天理やまのべ木綿庵」で頒布している綿の種は、昔ながらの綿繰り機を用いて手作業で種を取っているため、細かい繊維がついていますが、大手業者さんから購入する綿種には繊維がついていない場合が多いです。それは種取りから封入までを機械化しているため、作業効率をあげるために前処理として細かい繊維を薬品で溶かしているのだそうです。「繊維がついている綿種は品質が劣っている」という訳ではけっしてありませんのでご安心ください。

 植え付け穴の間隔は、洋綿を70㎝、和綿を60㎝としました。一つの植え穴に3粒ずつ種をまきます。3点蒔き、です。 洋綿の方を少し広めに間隔をとるのは、洋綿の方が枝振りが大きくなるためです。
イメージ 7イメージ 8







   また、綿は育てるのは比較的簡単なのですが、収穫が大変な作業になります。間隔を詰めすぎると、収穫作業がしづらくなり、また収穫が追いつかず、かなりのストレスになります。営業目的による栽培で、収穫期に十分な人手が確保できるのであれば間隔を詰めても良いかもしれませんが、そうでなければ、畝と畝の間も広くあけて、ゆったりとした間隔で育てられることをお勧めします。
 種まきの際に注意しなければならないのは、種を土中に深く埋めてしまわないことです。ペットボトルの底などで、土の表面を少し押して固め、その上に種を置きます。そして、その上から砂をパラパラとかけておく程度にしておきます。綿の種は好光性のため、完全に埋めてしまうと発芽に時間がかかるか、発芽しなくなってしまいます。種の上から砂をかけるのは、水やりの際に種が動くのを防止するためです。種が動きさえしなければ、露出していても問題はありません。あとは、しっかりと水をやります。そして、発芽するまでは毎日の水やりを心がけます。
イメージ 9イメージ 10








イメージ 11イメージ 12








  今回は、洋綿を43穴、和綿を87穴つくり、種を蒔きました。和綿畝の北端に8株だけ、昨年の綿木を残しています。2年目にどうなるかを観察するためです。また、予備用として、ポット植えも準備しました。
イメージ 13イメージ 14









  種蒔きを終えた後は、収穫後の作業としての綿繰り、綿打ち(竹弓、唐弓)、糸紡ぎ(糸車、スピンドル)の要領を解説し、みなさんに体験をしていただきました。
イメージ 15イメージ 16








イメージ 17イメージ 18








イメージ 19イメージ 20








イメージ 21イメージ 22