木綿庵の4枚の畑の荒田起こしが済み一段落、と思ったら、急に4号畑の西隣にある畑が気になってきました。お隣の畑は元来は柿畑のようですが、数年来手入れがなされていないらしく、笹が一面に生い茂り、柿の古木には蔓性の植物が覆い被さり、雑木も勢いよく伸びて、その畑に入ると人影が見えなくなるばかりでなく、足を踏み入れることさえ躊躇されるような状況です。
 昨年の夏に4号畑にまでせり出すように伸びてきている笹や枝については刈り込みを行ったのですが、芽吹きの季節を迎えて、昨夏の記憶が蘇ってきました。
 そこで、地主さんのお宅をお訪ねして、「草刈りをさせてください」とお願いをしてきました。本来、農地の管理は地主の責任においてなされるもので(またそれがその土地の所有権の証明ともなる)、たとえ善意に基づくものであろうと勝手に他人様の土地の草刈りを行うことはご法度だからです。(地域によっては、自分の畑に影響の出る場合に限って、境界線より○メートル以内であれば隣地の地主の許可無く草刈りが行える、という取り決めがなされている例もあるそうです。) 
 迎えてくださった地主さんは、大変申し訳なさそうに、気になりながらも手が回らない状況なので…、と草刈りを許してくださいました。樹木の伐採も遠慮なく…、とのお言葉もいただきました。
 そこで、4月7日より少しずつ草刈りをはじめ、昨日(4月13日)までで、全体の5分の4まで作業を終えました。作業を終えて気づいたことは、2号畑の農具小屋(木綿庵0号棟)からの見通し・眺めが大変良くなったことです。これは思ってもみないご褒美をいただいたような気になりました。
 さらに、昨日は北隣の畑で作業をされていた方ともお知り合いになることができました。本職以外にもさまざまな取り組みをしておられる方で、大変魅力的な方でした。この方との出会いもまた、私にとっては大きなご褒美のような気がしています。 
 ちなみに、刈り取った枝や笹は、北隣の畑の一角に地主さんの許可を得て、仮置きさせていだいています。こちらの地主さんも仮置きを快諾してくださり、木綿庵の構想が、直接間接を問わず、みなさんの協力のもとに成り立っていることをあらためて感じ、何よりも幸せな一日となりました。